おっす!ブラックムービー界のピーターラビット、GEE-Qです。
先日、深夜に何気にテレビをつけた所、あるダンス番組やってまして…。 以前からその存在は知ってたんですが、何故か全くといって良いほど興味が湧かなかったんですよ…え?テメ~なんだかんだ言って “エセB-BOY” なんじゃね~の?だぁ?
ぶっ殺す!by 単刀直入
いやいや、そんなんじゃなくってさ、たまたま俺が昔見た時ってのがなんかチビッコばっか出ててさ、なんともゆる~い感じだったからか、継続して見て~な~ってな感覚が湧いてこなかった訳。ところがさ、チビッコもバカに出来ね~な~と思ったよ!そう!スーパーストロングマシン2号だよ!ありゃマジでスゲエよな!ま、細かな技術を見れば、結構 “パターン” みたいなモノもあるんだけど、ただ純粋にスゲエっていうか上手いんだよね~。
なにや親子でダンサー(父親は住職が本業)ってな事で…俺も将来ジュニアが出来た暁には、生後1ヶ月の段階で 『ワイルドスタイル』 と 『ビートストリート』 を子守唄代りにエンドレスに枕元でON AIR!生後半年の段階でおしゃぶりの変わりにマイクを握り、初めて発っする言葉は「チェンジ・ザ・ビート!!」。1歳の誕生日にはカザールのグラサンかなんかを買い与え、2歳の誕生日には自らの生誕を祝うかのごとくウインドミル126回転を記録!幼稚園入園時、「将来何になりたいですか?」との問いにシャカリキになって「DMCのワールドチャンプです!出来れば商品は博多の塩3年分でひとつヨロシク原宿!」と答え先生達を氷付かせ、小学校入学時には既に 『火の国のブラストマスター』 というハイカラなニックネームを付けられ、中学校はいきなりサウスブロンクスのジュニアハイスクールに観光ビザで留学。「はじめまして!熟成黒酢ともうします!」というサプライズ自己紹介の後、地元のチビッコギャングに一目置かれる存在になる。又、クイーンズチビッコラップバトル大作戦では、国籍無視でブロンクス代表として名乗りを上げ、“リトル・ショー・コスギ” と呼ばれ皆に恐れられる。卒業記念アルバムとしてインディーズから 『ブギダウン肥後の赤牛』 をリリース。HOT97でON AIRされ、開局以来最高の苦情殺到!逃げるようにパンナム航空で極秘帰国した後、代々木で開催される『B-BOYパーク』 に1日清掃ボランティアとして参加。この頃から「オヤジ、俺、もう一度NYシティブレイカーズが着てた赤い全身タイツ着たいよ!」と寝言で訴える様になる…
もし、こんな子供に育ったら、後頭部から膝蹴りをお見舞いし、生まれた後の記憶を消してやります(笑)
はい、そんな俺様の寝言みたいな未来予想図の話は置いといて、今回ご紹介する作品は、『HIP HOP 4 Life(ヒップホップ・フォー・ライフ)』!…ってなカッチョイイタイトルなんだけど…ねぇ(笑)

舞台はオハイオ州クリーブランド。暇さえあればノートにリリックを書き溜め、将来的にプロのラッパーを目指しているデボンは、ダチであるテレンスと共にマッキー社主催のMCバトルに参加するべくデモテープを送る。見事に審査を通過し本戦に挑む事になったデボンだったが、恋人のジェシカ()のヤキモチや、父親からは大学に行け行け攻撃を受け、かなりのブルーな状態の中始まるバトルだが、テレンスが一向に現れない…仕方が無く1人でバトルに挑んだデボンは順当に勝ち上がる。バトルを終えて何故会場に来なかったかをテレンスに詰め寄る。次第に身近な人間との関係に微妙なズレが生じる中、ファイナルの舞台へ挑むデボンだったが…
サンダンス国際映画祭やアメリカン・ブラックフィルム・フェスティバルにも出品され、高い評価を得たというこの作品。元々は “HIPHOPBATTLE..COM” 製作の作品っつ~事で、それなりの期待感を持って望んだ訳ですが…
結果、良くも悪くもインディ色バリバリの作品でした。
というのもさ、元はといえばクラシック中のクラシックである 『WILDSTYLE』 だって立派なインディ作品。ただ、前編にHIPHOP LOVEや、今後もっと世界中に発展し、大きなムーヴメントになるであろう要素がタップリと詰まった最高にFUNKYでCOOLな作品であった事は皆さんもご存知の通り。ま、比較するのはおかしな話だけど、この作品は、どこまでがドキュメンタリーでどこまでがフィクションかわからない様なつくりになってるんです。かといって、それくらいREALだ!ってな訳ではなく、ただ単に作りが粗かったり、役者があまりにも普通っぽかったりって事で、正直いい意味ではないんですよね。
ただ、上品な感じや高級感、又、巧妙なトリックや色んな意味での上手さはハッキリ言って皆無で、インディ作品らしい雑な感じやライヴ感、勢いや情熱だけで作ったという雰囲気はこの上なくバリバリです(笑)。ただ、タイトルをそのまま作品のカラーとして期待すれば、若干…いや、かなりの物足りなさを感じるだろうし、巷で賑わってるチープなギャング物のノリを期待したらつまんないと思うだろう。出演者も無名だし、特別なスキルがキラリと光っている訳でもない…唯一、見せ場として存在したのがヒューマンビートボックスバトルであろうが…これも今じゃ凄腕がウジャウジャいる中では平均点レベルに感じてしまう…ホンマ偉そうにスンマセン(笑)
全体的に見れば、盛り上がりに欠けるかもしれないけど、要所要所にHIPHOPの魅力や凄さみたいなものを感じられる様なシーンも用意されている。
スゲエと思ったのは、目の前にお題であるアイテムを次々と高速で差し出され、それに関してのフリースタイルをカマすってシーンがあるんだけど…もしこれがガチンコならば、そりゃ恐ろしい瞬発力と発想力だぜ!日本でもMCバトルは開催され、そのスキルに毎回驚かされるんだけど、こういったスタイルってのはマジでホントの意味での “即興” だし、ごまかしが効かないんだよ!
MCバトルの裏ではどちらが勝つか負けるかの “賭け” が内密に行われていたり、そうして利益を得る一部の人間が、契約をチラつかせMCにリスクを背負わせる。しかしMC達はそんな事考えもせず、成功を求めて走り、リリックを書き、マイクを握り、来る日も来る日もチャンスを待ちながらそれを続けてるのである。
とにかく見ないとさ、この手の作品は。“映画的” な視点で見るか、B-BOY的な視点でみるかは人それぞれ。それによって感想も大きく違ってくるような作品だと思う。
テーマ:ブラックムービー(黒人映画) - ジャンル:映画
|